タタキやローストビーフにおすすめのトウガラシ

地域により呼び方が変わる希少性の高い部位

松阪牛のトウガラシは、唐辛子のような形をした部位のことを指します。
イメージしにくいですが、よく知られた部位に例えるとヒレ肉に似ています。
棒状のヒレ肉を少しカーブさせて、野菜の唐辛子をイメージするといいでしょう。
変わった部位名ですが、関東ではトウガラシ、関西ではトンビなどと呼ばれることが多いです。
腕の一部に当たる肩から腕にかかる部位で、1頭の松阪牛からわずか2キロほどしかとれません。
ヒレが約3キロですので、ヒレのブロック肉よりやや小ぶりになります。
量も限られており、市場にはなかなか流通しない希少性の高い部分で、口に入ることは稀かもしれません。
もっとも、他の希少部位や最上級クラスの部位であるヒレ肉と比べて、非常にお買い得でヒレの半分くらいの価格で取り引きされています。

さっぱりした味わいで、噛めば噛むほど濃厚な味が楽しめます

肩の一部なので肩ロースなど脂ののった肉をイメージされるかもしれませんが、見た目はヒレ肉、肉質はモモ肉に近く、よく動かす腕にも近いのでやや硬めです。
内側には細かなサシが入っていますが、味はとてもさっぱりしています。
ただ、噛みしめると肉の旨みが良く感じられ、肉の旨みが染み出てきて濃厚な味わいが楽しめるのが特徴です。
赤身の特徴である、松阪牛本来の旨みを確認できる部位といえるかもしれません。

赤身を楽しむなら、たたき料理などがおすすめ

トウガラシは火を通すと硬くなってしまうため、焼肉用として提供されることもありますが、じっくりと焼くステーキにはやや不向きかもしれません。
一番のおすすめは、サッと表面を炙るタタキやローストビーフ、牛刺しなどです。
トウガラシとしての部位にはお目にかかったことがない方も、もしかすると、タタキやローストビーフとして食べているかもしれません。
調理のポイントは、肉の繊維と直角方向に薄く切っていくことです。
精肉店で下処理をする際は肩や腕の部分特有の周りの筋や脂を引き、トウガラシの真ん中にも一本筋があるので、肉を分解しないように上手く引き抜きます。
この下側の部分をカットすればヒレ肉のような形状になります。